貝博ブログ

ウミシダ!

海中に咲いた一輪の花か、あるいはベタベタひっつく謎の塊か?今日は学芸員の秘蔵写真の中からウミシダギャラリーをお送りします。

何を隠そう、このウミシダは学芸員が研究している生き物です。ウミシダはまるで植物のような見た目ですが、れっきとした動物で、ウニやヒトデと同じ棘皮動物(きょくひどうぶつ)の一員です。世界で約600種が知られ、海の中なら磯から深海まで、北極・南極から赤道直下までどこにでも分布しています。食用にはならないので人間生活には馴染みが薄い生き物ですが、実は日本の周辺は、世界的に見てもウミシダの種数が豊富な海域です。日本周辺で確認されている約130種の中には、日本でしか知られていない固有種が多く含まれています。さらに、いまだに名前が付いていない種も続々見つかっています。

先日、学芸員もそんな一つに名前を付け、新種として報告しました。

新種・ハナビウミシダは高知や沖縄の浅い海で見られる種で、学芸員がスキューバダイビングで標本を採集しました。ダイビングはレジャーだけではなく、研究にも非常に有用な技術です。ダイビングで行ける浅い海でも、じっくり探せば新しい発見はまだまだあるでしょう。おっと、話がウミシダからダイビングに逸れてしまいました。ウミシダについては、今後もちょこちょこ紹介したいと思います。「私、ウミシダ大好きです!」という変わった(失礼!)方がおられましたら、ぜひ貝博でお話を聞かせてください。

 

ワークショップ開催しました!

本日、ワークショップ「輝く貝のキーホルダーづくり」を開催しました。来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました!

朝、窓の外はあいにくの空模様…いや、土砂降りに近い雨。そんな中でのスタートでしたが、会場はみなさんのやる気が溢れていました。午後からは雨も上がり、家族で来てくださる方も増えました。磨く時間は10分、10分、5分!はじめは10分間も無理〜と言っていたわりに、結構長く磨いちゃった人、多いんじゃないですか?凝り始めると止まらない、不思議な魅力があるのです。まだまだ磨き足りない?そんなあなたには貝博印の貝磨きキットもご用意しています。ぜひまたご来館ください。


今日は多くの方に参加いただきました。それを支えてくださったサポーターズのみなさんにも感謝です。今回使用したアワビの貝殻は真鶴町の飲食店から提供いただきました。心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

ワークショップ準備その2

今日はいったいどうしちゃったんだという寒さの中、ワークショップの準備を進めました。先日作った貝チップを見直し、穴の位置などを微調整しました。できあがったチップが粉まみれだったので、水で洗うと…あらゴージャス。たくさん繋げたら何かすごいものができそう。地方豪族の古墳から出土してもおかしくない。真鶴古墳群出土品 真珠様貝繋ぎ首飾り 飛鳥時代中期。←フィクションです。念のため。
 明日も準備を進めます。ちなみに、今回のキーホルダー作成にかかる時間は30分ほどです。参加者のみなさんには貝チップを紙やすりで磨いてもらいます。時間をかけて磨けば全面に真珠光沢を出すこともできるのですが、個人的にはアワビ本来の赤い模様が少し残る方がかっこいいと思います。とはいえ、そこは本人の好み次第。当日は満足いくまで磨いてもらってもOKですよ!

ワークショップ準備その1

来週にせまったワークショップに備えて準備を進めています。今日はサポーターズの方に指導いただきながら、アワビの貝殻チップを作成しました。
まず、アワビの殻をディスクグラインダーで小さい断片にして、だいたいの形に整形します。
それからストラップをつける穴をドリルで開けて、さらにグラインダーで表面を荒く削って真珠層が見えるようにします。
とがった角を丸くするのも忘れずに。…と機械を使った大人の工作教室みたいな感じなのですが、厄介なのが粉塵。粉まみれになること必至です。マスクが欠かせません。

今日は合計100枚ちょっとの貝殻チップができあがりました。アワビのついでにヤコウガイも削ってみたりして。ワークショップはもう来週。お楽しみに!

今回使用しているアワビの貝殻は真鶴の飲食店から提供いただいています。貝博の活動へのご理解とご協力、どうもありがとうございます!

貝磨きワークショップのお知らせ

貝博では11月23日(木・祝日)にワークショップを開催します。今回はアワビの貝殻を磨いて、虹色に輝く貝のキーホルダーを作ります。磨くと言っても作業は簡単。参加者のみなさんにしてもらうのは紙やすりを使った仕上げ磨きなので、お子さんだけでも参加できます。もちろん、家族や友達でおそろいを作っても楽しいですよ。ワークショップを通じて、貝が作り出す色や形の不思議を体験してください。受付は10:00〜15:00、参加料は1人300円です。入館料が別途必要ですが、ワークショップ参加者は割引価格で入館いただけます。11月23日の祝日は貝博へ!

法螺笛の修理

貝博で大人気の展示品の一つが、「遊んでみようコーナー」にあるホラガイの笛です。
うまく吹けた人もそうでなかった人も、みんな笑顔にしてくれるステキな一品です。
そんなホラガイですが、先日、机から落ちてしまい、大きなヒビが入ってしまいました。落ちないように調節しないといかんなぁ…と思いながら、とりあえずいったん裏方に下げて修理することに。
あらためてホラガイを見てみると、今回のヒビ以外にも細かいヒビがチラホラと。きっと以前からヒビが入っていたのでしょう。
そんなヒビの一つ一つにボンドを塗っていると、なんだか感謝の気持ちが湧いてきます。
ありがとう、いつもみんなを楽しませてくれて…。応急処置ではありますが、ヒビは塞がり修理は完了。

展示室に戻ったホラガイは、さっそく誰かを楽しませてくれているようでした。みなさんのご来館、ホラガイと一緒にお待ちしています。

ストローエビ増殖中

先日、貝博では、ミニミニワークショップ「ストローエビを作ろう!」が開催されました。講師は貝博受付のFさんです。
実は、来館者から熱いリクエストをいただきまして、急遽ストローエビ講座が開かれたというわけです。

このストローエビ、貝博サポーターズの松本農園さんが作り方を教えてくださったもので、貝博でちょっとしたブームを起こしています。
作るのに準備するのはストロー、そしてハサミ。以上! 10分もかからずにかわいいエビができあがります。うーむ、実によく特徴をとらえている…。応用すればバッタを作ることもできるそうで、松本農園さんはシュロの葉っぱで雰囲気抜群のバッタを作って見せてくださいました。ストローエビは受付の周りにちょこちょこ並んでいますので、気になった方は受付さんに声をおかけください。
リクエストがあればまた教室が開かれるかも?コツは「くるりんぱ」ですよ。

アカエイは結構美味しいよ!

うむ、旨し!何のことかと言いますと、先日開催しました「海のミュージアム」でのお話です。
海のミュージアムは海に親しむことを目的としたイベントで、夏季は磯の生き物観察を行なってきました。
10月は、あえてこれまでと違う目線で海に親しもうというチャレンジ月間。そしてテーマはずばり…「食」!今日はその第一回で、真鶴の定置網に入るものの流通しない魚、いわゆる未利用魚の調理方法を考えよう!そして味わおう!という内容でした。とはいえ、せっかくの海のミュージアム。磯でも食べられる生き物を探してみよう!自分で捕まえよう!という盛りだくさんの内容だったのですが…あいにくの天気で磯歩きは中止。室内でできる調理のみとなりました。
さて。
試行錯誤の末に並んだメニューは…アカエイの煮付け&唐揚げ、アイゴのマース煮&コンフィ、ヒメジの唐揚げ。さらに前もって準備した「磯もの」から、イソスジエビの素揚げ、ムラサキイガイの酒蒸し。あれれ、テーブルに並ぶとなんだか豪華?

肝心の味はというと、クセがあるものないものさまざまだったのですが、意外にどれも美味しく食べられるレベルでした。特に人気だったのがアカエイ。気にしていたアンモニア臭はまったくせず、他の調理方法も試してみたくなる味でした。某ハンバーガーショップのバーガーに挟んでありそう。難点は、皮を剥きづらいのと、なにより尻尾の毒棘が怖いことでしょうか。磯ものに関しては、海が静かな時にまた挑戦したいです。自分で採ったものだとまた味も違ってくるでしょうしね。
 今回のプログラムには真鶴漁協のご協力のもと実施しました。また、ロッキーマリンさんにも魚を提供いただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

アツいぜ!貝合わせ

貝博の「遊んでみようコーナー」には貝合わせのセットがあります。
アサリやハマグリなどの二枚貝は、その名の通り2枚の貝殻を持っています。
この2枚、同じ個体の殻同士はピッタリ合わさっているのですが、違う個体の殻はうまく合わさりません。
よく似た色形のものであっても、必ずわずかな隙間ができてしまいます。
貝合わせはこれを利用した遊びで、いくつも並べたハマグリの中からピッタリ合う組み合わせを探すゲームです。
トランプならぬ貝を使った神経衰弱といったところでしょうか。
 先日、倉庫を整理していたところ、ハマグリの殻がゴロゴロ入った箱を発見。なんじゃこりゃと思ったら、箱の中には「貝合わせ上級編」の札が。
さっそく挑戦してみました(←仕事です)。さすがは上級編、並べてみると大きさも柄もそっくりな殻ばかり。見比べ、探して、合わせる。これを繰り返すこと50組以上。かかった時間は…33分!中にはどの貝ともつがいにならないジョーカー貝も入っていて、結構かかってしまいました(←仕事です!)。
ちょうど来館していた少年にも10組+ジョーカーを渡してみたところ、5分ほどで完成させてしまいました。…完敗です。今、ここに新たな競技が生まれました。競技貝あわせ(10組の部)、世界記録5分05秒です!
 貝博では新記録を目指すアツい挑戦者を募集しています。学芸員までお声をかけください。世界貝合わせ協会公認の競技セットをお出しします。ただし、ルールでは途中ギブアップは認められておりません。…なんせ一度バラすと戻すのが大変なので。

蘇るタカアシガニ

貝博玄関ホールの巨大タカアシガニにお色直しが施されました。
甲殻類の乾燥標本はどうしても色落ちしてしまうもので、貝博のタカアシガニも例に漏れず、すっかり色あせた茶色でした…そう、昨日までは!
そこに現れた造形の魔術師、渡部先生(本当は貝博初代館長です)。黄色と赤を足して…ご覧くださいこの生まれ変わった姿を!あっ、作業前と並べてビフォア・アフターにすればよかったかも。
 タカアシガニは世界一大きいカニ。長い脚を広げると幅3m以上に達します。明治時代に日本を訪れたヨーロッパの学者たちを驚愕させたそうです。
そりゃあ驚きますよね。やや深い場所にすむカニですが、深海漁が盛んな相模湾や駿河湾ではよくカゴ漁で漁獲されています。
貝博の標本は渡部先生が漁師さんから譲り受けたカニを肉抜きして仕立てたものだそうで、旧貝博(遠藤邸)でも展示されていたそうです。
まさしく貝博の門番といった感じですね!