月別: 2017年12月

きらりと光る⭐︎貝のクラフトキット!

日本全国の、いや、世界中の貝磨きファンのみなさま、お待たせしました!このたび貝博では、「きらりと光る貝のクラフトキット」を製作いたしました。キットの中には、ワークショップでも使用したアワビの貝チップが入っています。これを同封のヤスリで磨き上げ、穴にストラップを通せば…真珠のようにキラキラ輝くキーホルダーのできあがり。ストラップの代わりにチェーンや革ヒモを付ければ、ステキなネックレスにもなります。貝チップは一つ一つ形や模様が違っています。自分好みのものを選んで、世界で一つのオリジナルアクセサリーを作りましょう。

キットの販売に合わせて、貝博でも作業できるスペースを作りました。ご家族で楽しんでいただくこともできますので、受付で声をかけてください。仕上げ磨きも受付で引き受けますよ。もちろん、ご自宅に持ち帰って貝磨きを楽しんでもOK、プレゼントにもバッチリです。持ち帰る場合は、同封の説明書にある手順と注意点をよく読んでくださいね。

「きらりと光る貝のクラフトキット」は、貝博でしか手に入らないオリジナルグッズです。この不思議な輝きを、ぜひ貝博で体験していってください。

 

ワークショップレポート

11月のワークショップではたくさんの方々に来場にいただき、また、満足の声を多くいただき(アンケートでは「楽しめた」の声が100%!)、運営側としてもうれしい限りでした。当日のレポートを貝博のエントランスホールに展示してありますので、お近くの方はぜひご覧になってください。参加者のみなさんからいただいたご意見も紹介しています。

今回のワークショップでは、参加者のみなさんにアワビの貝チップを磨いてもらったのですが、実は、準備段階ではヤコウガイのチップも用意するつもりでした。なぜ「でした」なのかと言うと…挫折したんです。先のブログでも紹介したように、貝チップを作るには、機械を使って裁断、粗削り、穴あけを済ませておく必要があります。アワビでの作業にだいぶ慣れてきたので、ではヤコウガイに置き換えてちょいっとな…なんて軽く考えていたら、ヤコウガイはまったくの別物。固いのなんの。削ってもなかなか真珠層に到達しません。穴あけのドリルは長く回しすぎてへばってしまうほど。結局、1つのチップを完成させるのに、アワビの5倍以上の時間がかかってしまいました。これでは大量生産は無理!ということになり、今回は残念ながら見送りとなりました。ヤコウガイの殻は地色が緑で美しいので、地色が赤のアワビと対にしたら大人気間違いなし!という学芸員の妄想は、ヤコウガイの固さの前にあえなく散ったのでした。学芸員の手元には、友人から譲ってもらったヤコウガイが並んでいます。次回、リベンジなるかっ!?

ウミシダ!

海中に咲いた一輪の花か、あるいはベタベタひっつく謎の塊か?今日は学芸員の秘蔵写真の中からウミシダギャラリーをお送りします。

何を隠そう、このウミシダは学芸員が研究している生き物です。ウミシダはまるで植物のような見た目ですが、れっきとした動物で、ウニやヒトデと同じ棘皮動物(きょくひどうぶつ)の一員です。世界で約600種が知られ、海の中なら磯から深海まで、北極・南極から赤道直下までどこにでも分布しています。食用にはならないので人間生活には馴染みが薄い生き物ですが、実は日本の周辺は、世界的に見てもウミシダの種数が豊富な海域です。日本周辺で確認されている約130種の中には、日本でしか知られていない固有種が多く含まれています。さらに、いまだに名前が付いていない種も続々見つかっています。

先日、学芸員もそんな一つに名前を付け、新種として報告しました。

新種・ハナビウミシダは高知や沖縄の浅い海で見られる種で、学芸員がスキューバダイビングで標本を採集しました。ダイビングはレジャーだけではなく、研究にも非常に有用な技術です。ダイビングで行ける浅い海でも、じっくり探せば新しい発見はまだまだあるでしょう。おっと、話がウミシダからダイビングに逸れてしまいました。ウミシダについては、今後もちょこちょこ紹介したいと思います。「私、ウミシダ大好きです!」という変わった(失礼!)方がおられましたら、ぜひ貝博でお話を聞かせてください。