カテゴリー: 学芸員の研究

ウミシダ!

海中に咲いた一輪の花か、あるいはベタベタひっつく謎の塊か?今日は学芸員の秘蔵写真の中からウミシダギャラリーをお送りします。

何を隠そう、このウミシダは学芸員が研究している生き物です。ウミシダはまるで植物のような見た目ですが、れっきとした動物で、ウニやヒトデと同じ棘皮動物(きょくひどうぶつ)の一員です。世界で約600種が知られ、海の中なら磯から深海まで、北極・南極から赤道直下までどこにでも分布しています。食用にはならないので人間生活には馴染みが薄い生き物ですが、実は日本の周辺は、世界的に見てもウミシダの種数が豊富な海域です。日本周辺で確認されている約130種の中には、日本でしか知られていない固有種が多く含まれています。さらに、いまだに名前が付いていない種も続々見つかっています。

先日、学芸員もそんな一つに名前を付け、新種として報告しました。

新種・ハナビウミシダは高知や沖縄の浅い海で見られる種で、学芸員がスキューバダイビングで標本を採集しました。ダイビングはレジャーだけではなく、研究にも非常に有用な技術です。ダイビングで行ける浅い海でも、じっくり探せば新しい発見はまだまだあるでしょう。おっと、話がウミシダからダイビングに逸れてしまいました。ウミシダについては、今後もちょこちょこ紹介したいと思います。「私、ウミシダ大好きです!」という変わった(失礼!)方がおられましたら、ぜひ貝博でお話を聞かせてください。